令和2年度 土壌分析の日程
吉野川農業支援センターでは,原則毎月第2・4水曜日に土壌分析をしています。
当センターの土壌分析でわかることは以下の項目です。
・pH,EC
・陽イオン(石灰・苦土・カリ)
・リン酸
土壌分析の受付は随時受け付けております。
直接農業支援センターに土を持参していただいても大丈夫です。持っていきたいけど時間が…という方は一度お電話で御相談ください(0883-26-3971)。
土壌診断結果から過剰な養分は減らし,足りない養分は必要量を施用して適正施肥によって収量・品質の安定化と施肥コストの低減化を図りましょう。
※吉野川農業支援センターからお願い
土壌分析の土は乾燥させて持ってきてください。
乾燥していなくても持ってきていただくことは可能ですが,分析予定日までに乾いていない場合は次回の分析に持ち越します。御了承ください。
7月
7/8
7/22
8月
8/5(第一水曜日)
8/26
9月
9/9
9/23
10月
10/7(第一水曜日)
10/21(第三水曜日)
11月
11/11
11/25
12月
12/9
12/23
1月
1/13
1/27
2月
2/10
2/24
3月
3/10
3/24
【全農家対象】県内でのツマジロクサヨトウの発生について
令和2年6月17日,石井町の飼料用トウモロコシにおいて,ツマジロクサヨトウ幼虫の発生と食害が確認されました。昨年9月には,フェロモントラップによる調査で成虫の発生が確認されていますが,農作物への加害は今回が初確認とのことです。
長距離移動できることもわかっているため,今後徳島県全体に被害が増加する可能性もあります。
そこでこの記事では,
・ツマジロクサヨトウとは?
・私たち農家はどう予防すればいいの?
を現在農林水産省から出ている情報などをもとに,ポイントを押さえて書いていきます。
事前知識として,ぜひ頭に入れておいてください。
※ツマジロクサヨトウが発生してしまった,それっぽい虫がいるという場合には吉野川農業支援センター,または徳島県病害虫防除所に速やかに御連絡ください。
ツマジロクサヨトウとは?
ツマジロクサヨトウは、南北アメリカ原産の農業害虫で、とうもろこし、ソルガム、さとうきび、野菜類等、80種類以上の作物に被害を与えること、1世代で500km、1晩で最大100km移動するなど、長距離飛翔することが知られている。
本種は暖地に適応した種(南北アメリカ大陸の熱帯~亜熱帯原産)であり、熱帯では年4~6世代発生する。南北アメリカでは毎年夏季に成虫が移動・分散するが、暖地を除く地域では越冬することはできない。
幼虫が植物の葉、茎、花並びに果実を加害する。若齢幼虫は葉を裏側から集団で加害し、成長すると加害しながら分散する。
抑えておいてほしいポイントは以下の4点です。
・80種類以上の作物に被害を与えること
・1世代で500km,1晩で最大100km移動するなど,成虫が長距離飛翔すること
・暖地に適応した種であること
・若齢幼虫は葉を裏側から集団で加害し,成長すると加害しながら分散すること
これらのことから,これから徳島県全体に被害が増加する可能性があるのではないかと指摘されています。
ツマジロクサヨトウの見た目、特徴
ツマジロクサヨトウの幼虫、成虫の見た目、特徴は以下のようなものです。
ツマジロクサヨトウが出たらどんな被害になる?
本種は広食性の害虫であり、経済的に重要な栽培種であるとうもろこし、いね、ソルガム、さとうきび、わた及びその他野菜類に大きな被害をもたらす( CABI, 2019)。特にイネ科を好み、野生及び栽培されているイネ科植物の食害が報告されている( CABI, 2019)。
アメリカの調査では,スイートコーン1株あたりにツマジロクサヨトウの発生密度が0.2~0.8頭であっても、収量が5~20%低下するという報告があります。
また,ガーナ及びザンビアの生産者からの報告では、アフリカでのツマジロクサヨトウによるとうもろこしの減収量が4割にものぼったということです。
もし徳島県で発生した場合、同じように大きな被害になるのではないかと考えられます。
ツマジロクサヨトウによる被害写真
次に,今(2020/6月現在)農林水産省から発表されている4種類の作物の被害写真を張っておきます。
「もしかしたらツマジロクサヨトウ?」というときの参考にしてください。
飼料用トウモロコシ
スイートコーン
サトウキビ
ツマジロクサヨトウの防除方法は?
「危険な害虫であることはわかった。でも私たち農家はどうすればいいの?」と思われているのではないでしょうか。
ツマジロクサヨトウの防除方法は、
・生産ほ場の定期的な見回りによる早期発見
・発生が確認された際の早期防除
の2点です。
「事前にできる予防があるならやるんだけどなぁ」という農家さんもいらっしゃるかもしれませんが,現在,事前にできる予防方法はなく,加害があった後の防除方法となります。
生産ほ場の定期的な見回りによる早期発見
生育初期に幼虫の食害を受けた場合,被害が大きくなると考えられるため,ほ場を定期的に見回り早期発見・早期防除に努める。
参照:ツマジロクサヨトウの発生にご注意ください!|徳島県ホームページ
発生が確認された際の早期防除
本虫による加害が確認された場合,植物防疫法第29条第1項に基づく措置を行うこととし,加害が確認された作物ごとに選定した薬剤による散布を行う。
参照:ツマジロクサヨトウの発生にご注意ください!|徳島県ホームページ
散布に当たっては、新葉の葉鞘基部に潜り込んでいる幼虫に届くよう、株の上部までしっかりと散布する。また、老齢幼虫や作物の内部に潜り込んでいる幼虫には農薬の効果が低くなるので、本種の活動が活発になる早朝に、若齢幼虫や葉の表面にいる幼虫に対して、農薬を散布することが望ましい。
粒剤は、防除効果が現れるまで時間を要することが多いため、粒剤を施用したほ場において発生が続く場合には、速効性のある農薬による 追加散布を行う。
※ツマジロクサヨトウに使える農薬一覧
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/attach/pdf/tumajiro-115.pdf
使える農薬一覧に記載されている希釈倍率,使用方法,使用時期,散布量,回数を守ることで,出荷停止等,流通に支障が出ることはありません。
「それっぽい虫がいる」
「ツマジロクサヨトウが発生してしまった」
「加害されてしまったから農薬をまきたいんだけどどれがいいかわからない」
という場合には,吉野川農業支援センター(0883-26-3971),または徳島県病害虫防除所(088-674-1954)に速やかに御連絡ください。
農作業中の農機による事故を防ぐために
農作業中の事故でどれだけの方が亡くなっているかご存じでしょうか?
農林水産省のデータを見ると,ここ10年間は毎年およそ300人前後の方が亡くなられています。
最新のデータでは300人を下回りましたが,農作業中の事故で命を落とされるのが後を絶たない状況が続いています。
さらに気になるのがこちらのデータ。
こちらのグラフは産業別10万人あたり死亡事故の発生件数を表しています。
最新のデータでは建設業が10万人あたり6.1人に対し,農業は15.6人で約2.5倍。
さらに全産業が10万人あたり1.4人と比較すると,約11倍もの人が農作業中に命を落とされていることになります。
そこでこの記事では、
・事故発生の要因
・事故防止の対策
をお伝えします。
「運転は慣れてるから」「今までそんなことは起こったこと無いから」という方も多いかと思います。
しかし,事故が起こってからではもう遅いです。
この記事を読んで,改めて確認していただければと思います。
事故発生の要因
こちらのデータ(※)は,公道での農機による交通事故の種類別死亡・重傷事故件数です。
このデータから,公道での農機の交通事故は主な理由は
・単独事故
・追突事故
の2種類あるということがわかります。
参考として,死亡・重傷事故それぞれについてのデータ(※)も張っておきます。
それでは,単独事故・追突事故にはそれぞれどのようなものがあるのか確認していきます。
単独事故
用水路への転落
運転操作ミスや道路環境が悪いことにより,田畑や用水路へ転落。
傾斜地での横転等
農機は通常の車に比べ重心位置が高いため,傾斜地等でバランスを崩して横転。
傾斜地等で自然に動き始めた農機にひかれる事故。
追突事故
夜間等における追突
夜間は後続車から農機が発見されにくく,追突事故が起こる。
昼間のトンネル内でも追突事故の事例がある。
それでは次にどのような対策がとれるのかを確認していきます。
事故防止の対策
今回は事故対策のポイントとして3つお伝えします。
確実な運転操作とブレーキ連結の確認
農業による死亡事故は,ハンドルやブレーキ操作ミスによる単独事故が多いですので、道路走行状況に応じた確実な運転を行いましょう。
また,道路走行時は必ず左右のブレーキを連結しましょう。
ブレーキ連結をしていないと,ブレーキを踏んだときに急旋回して転落,横転する事故につながる恐れがあります。
安全キャブ・フレームの装着とシートベルトの着用
救命効果の高い安全キャブやフレームが付いているトラクターを利用しましょう。(安全フレームは倒さずに使いましょう)
トラクター等の農機運転中は必ずシートベルトを着用しましょう。
転落や横転,追突された場合にも身体が投げ出されるのを防ぎます。
また,ヘルメットの着用もしましょう。
ランプ類や低速車マーク等の取り付け
一般車両との接触や追突を防ぐためには周囲に気づいてもらうことが大切です。
「低速車マーク」や,「反射板」を設置しましょう。
直装式作業機を装着してトラクター本体のランプ類が見えなくなる場合や,ランプ類のないけん引式作業機をけん引する場合はランプ類を増設してください。
悲しい思いをしないために
全て「そんなの当たり前」と思われていることかもしれません。
しかし,当たり前の積み重ねが事故の一番の予防対策です。
今一度,事故防止の予防対策をお願いいたします。
(※)データは以下のチラシを参照しました。
持続化給付金について(個人事業主向け)
※6/4より吉野川合同庁舎2Fに申請サポートセンターが開設されています。(~6/30まで)
電子申請の方法がわからない方,できない方に限定して申請の入力サポートをしていますので、必ずご予約の上ご利用ください。
※よくある不備について情報がでています。申請前にご確認をお願いいたします。
給付額
上限100万円
条件
今年のいずれかの月(1月~12月)の売上,2019年の年間売上を12で割った額(平均収入)の50%以下になっている方
※昨年赤字申告の方も対象
給付額の計算方法
給付額(上限100万円)=2019年の年間総事業収入 ー(申請対象とする月の売上×12か月)
申請方法
持続化給付金のHPより申請
※6/4より吉野川合同庁舎2Fに申請サポートセンターが開設されています。(~6/30まで)
電子申請の方法がわからない方,できない方に限定して申請の入力サポートをしていますので、必ずご予約の上ご利用ください。
申請書類
・2019年分の確定申告第一表の控え(収受日付印が押してあるもの)
※2019年分の確定申告書類がない場合は,市町村民税・特別区民税・都道府県税などの申告書類でも申請可能
・申請の対象とする月の月間売上がわかるもの(売上台帳、帳面など)
※フォーマットの指定なし。経理ソフト等から抽出したデータ,エクセルデータ,手書きの売上帳などでもOKです。
・申請者本人名義の振込先口座の通帳の写し
※銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認できるようスキャン又は撮影して下さい。
上記が確認できるように,必要であれば,通帳のオモテ面と通帳を開いた1・2ページ目の両方を添付してください。
・本人確認書類(下記のうちいずれか)
運転免許証(両面)(返納している場合は、運転経歴証明書で代替可能。)
個人番号カード(オモテ面のみ)
写真付きの住民基本台帳カード(オモテ面のみ)
在留カード、住民票の写し及びパスポート(顔写真の掲載されているページ)の両方、外国人登録証明書(在留の資格が特別永住者のものに限る。) (両面)
なお,上記のものを保有していない場合は以下のもので代替することができるものとします。
住民票の写し及びパスポート(顔写真の掲載されているページ)の両方
住民票の写し及び各種健康保険証の両方
申請期間
2020/5/1 ~ 2021/1/15
問い合わせ先
持続化給付金事業コールセンター(8:30 ~ 19:00)
0120-115-570
※6月は毎日
7月 ~ 12月は土曜日休み
病害虫発生予察情報【5/29発表】
徳島県立農林水産総合技術支援センター 病害虫防除所より病害虫発生予察情報が発表されました。
当管内で育てられている作物の情報の概要をまとめましたので,病害虫防除の参考にご覧ください。
詳細はこちらから確認できます。
※目次をクリックすると気になる作物だけを確認することができます。ご利用ください。
早期水稲
いもち病(葉いもち)
予報内容
発生時期 平年よりやや遅い(前年並)
発生量 平年よりやや少なく(前年並),発生程度は「少」
防除上注意すべき事項
(1)補植用置き苗は,葉いもちの発生源になるので,補植が終わり次第速やかに処分する。
(2)早期発見に努め,発生を認めたら直ちに液剤による防除を行う。また,常発田では粒剤を予防散布する。
普通期水稲
いもち病(葉いもち)
予報内容
発生時期 平年よりやや遅い(前年並)
発生量 平年よりやや少なく(前年並),発生程度は「少」
防除上注意すべき事項
(1)補植用置き苗は,葉いもちの発生源になるので,補植が終わり次第速やかに処分する。
(2)早期発見に努め,発生を認めたら直ちに液剤による防除を行う。また,常発田では粒剤を予防散布する。
イネミズゾウムシ
予報内容
発生量 平年よりやや多く(前年並),発生程度は「少~中」
防除上注意すべき事項
(1)発生状況に注意し,殺虫剤の育苗箱施用を行っていない圃場で成虫が多発した場合には,薬剤を水面施用する。
(2)根腐れしやすい水田では幼虫被害が発生しやすいので,深水を避け,根を健全に保つ。
カンキツ
ヤノネカイガラムシ
予報内容
発生時期 平年よりやや早い(前年並)
防除上注意すべき事項
(1)県予察圃場(勝浦町)での第1世代幼虫の初発生は5月14日に確認された。
(2)薬剤による防除適期は,有機リン剤の場合,35~40日後(6月18日~6月23日)である。
果樹カメムシ類
予報内容
発生量 平年より少なく(前年より少ない),発生程度は「少~中」
防除上注意すべき事項
(1)果樹園周辺の山林や雑木林から成虫が飛来してくるので,園内を巡回し,飛来を確認したら早急に防除を行う。
(2)夜行性の虫なので,薬剤の散布は夕方か早朝に実施すると効果が高い。
(3)移動性が大きいので,広域一斉防除により防除効果の向上に努める。
夏ネギ
さび病
予報内容
発生量 平年より少なく(前年より少ない),発生程度は「少」
防除上注意すべき事項
(1)気温が17~23℃の時胞子飛散量が増加し蔓延が増加しやすい。
(2)多発してからでは防除効果が劣るので,予防散布や発生初期の防除に重点をおく。ネギには薬液が付着しにくいので,展着剤を加え,薬剤が確実に葉全体に付着するように散布する。
(3)肥料切れして草勢が衰えると発病が助長されるので,肥培管理を適切に行う。
(4)被害葉は伝染源となるので,圃場周辺に野積み・放置せず,速やかに処分する。
ネギアザミウマ
予報内容
発生量 平年並~やや多く(前年並),発生程度は「中~多」
防除上注意すべき事項
(1)播種時又は定植時に粒剤等を土壌処理し,生育初期の被害を防止する。
(2)多発すると防除が困難になるので初期防除に努める。
(3)被害葉は有力な発生源となるので,絶対に圃場周辺に野積み・放置せず,速やかに処分する。
ネギハモグリバエ
予報内容
発生量 平年よりやや少なく(前年並),発生程度は「少~中」
防除上注意すべき事項
(1)播種時又は定植時に粒剤等を土壌処理し,生育初期の被害を防止する。
(2)多発すると防除が困難になるので初期防除に努める。
(3)被害葉は有力な発生源となるので,絶対に圃場周辺に野積み・放置せず,速やかに処分する
※発生量の表示
発生程度:甚>多>中>少>無
発生量:多い>やや多い>並>やや少ない>少ない
農薬選びに困ったら
徳島県植物防疫指針システムの農薬検索がおすすめです。
植物名,病害虫名等を入力するだけで,対応する農薬を検索することができます。
○最終有効年月内の農薬を使用し,ラベルに記載されている適用作物,使用時期,使用方法等を必ず確認してください。
○適切な薬剤を選択し,病害虫が抵抗性を獲得しないように,同一系統薬剤の連続使用を避けてください。
○農薬を散布する際は飛散しないよう対策を講じてください。